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2012年7月17日火曜日

ティッシュ配りを体験して分かったコツと、感じたこと。

前回のエントリーで書いたように、8月から旅に出ます。


もちろん旅には、少なからずお金がかかります。金額は決して少なくなく、今までの旅の中で一番使う予定です。
アジアの左端から右端まで行くんですからね。そりゃかかります。。


中国にいたときは、バイトをしていなかったので、日本に帰って来たときはほぼ一文なし。だから早めに日本に帰って、バイトして稼ごう,,,と6月末日に帰国しました。


そう、中国で一般的ないわゆる「出稼ぎ」です!意味的にはあまり変わらないかと,,,


しかし!


バイトに応募するも、ことごとく落ちました。(今日も2回落ちてる)
ていうのも、7月いっぱいの短期だから。
「できるだけ長くやります」嘘つこうとしても「正直に言って?」って言われると、「すいません、7月いっぱいです,,,」って。


関内の危ない所でも働こうとしました。
行ったことある人はわかると思いますが、キャバクラや風俗などたくさんある錆びれた怪しい場所があります。
その一帯にあるお店にお酒を届けるお仕事。勤務時間は、夜7時から朝6時頃まで。


昔は、その一帯を歩くだけでもビビってたけど、中国で1年間過ごしてきたせいか全然怖くなくて、「この街で生きていくのも面白そう」って思ったくらい。(そういうビジネスはやるつもりないです)


でも、結果はアウト。


給料の高い、携帯電話とかブロードバンド販売もやりたくて登録しました。
でも登録だけで、一切連絡は来ない。


思うのが、バイト検索サイトで「短期ok!」で調べて出てくるところって実際は長くないとダメなところが多いのかと。
そりゃ派遣とは言っても教育する時間もあるから、長い方が良い。


と、なると、低賃金でも仕事を与えてくれるところに行くしかない。
仕事内容は、「工場での仕分け」とか「サンプリング」とか「お中元の梱包」等など。
時給800円で、800円×7時間×週五日×2週間=5万6千円。え、安ッ。。


でもまぁ、5万6千円って中国で言えば、4000元ちょい。贅沢しなければ家賃含めて2ヶ月過ごせるぐらいです。それに、無睡眠で上手く夜勤を入れることができればもう少し稼げるかもしれない。



それでも目標値にはうん十万足りないんだけれども。。。




とりあえず、動くしかない。たとえ効率が悪くても。


思い切って、この3連休はサンプリングの配布をやりました。


「うちわ」を配ると言われて「うちわって配りやすい!」と思って登録したら、なぜか現場行ったら段ボールの中には「ティッシュ&チラシ」が。。


しかも、でかいチラシの上にティッシュがホチキス止めされてるんです。
あんなデカイものもらったら邪魔でしょうがないですよね。もらいたくないですよね。。


だから、そのチラシを四つ折りにしてコンパクトにして渡す必要があります。


「チラシを四つ折り」+笑顔で「おねがいしまーす」+「配る」動作を30度超えた炎天下の中繰り返してました。


いや、大変な仕事です。顔さらに黒くなりました。






自分は道を歩いててティッシュ渡されたらもらう方だから、「まぁ配れるだろ」と思ってた。だけど、実際は取ってくれる人は予想以上に少ないです!


めでたく、人生で一番多くシカトされた記念日になりました。


でもそんな中、色々試行錯誤して、自分なりのコツを掴みました。



下記3点のコツに気づけなかった1日目2日目は、ノルマを達成することはできなかった(ゆるいから何言われるわけでもないけど)。だけど、コツを実行した3日目は、終了の1時間前に終わらすことができました。




テッシュ配り3つのコツ


1、無心になること。


これが一番基本的な大事なことかもしれない。
配っていると、「あ、この人ならもらってくれそう!」と思ってしまうことがある。でも、そういう期待はしない方がいい。拒否されたら傷つくだけだから。

それと、配れるときと配れないときの波があります。
「配り方」が原因ではなくて、「偶然」だと認識した方が良い。
多い時には26人連続で拒否られました。配り方は変わらないはずなのに、「え、なんで?,,,また?」みたいに悲しくなりました。

ティッシュを欲しくない人がたまたま連続しただけ。と考えるしかありません。



2、場所は列が続きやすいところで。年配の方には優しく、若い人には頑張ってる感アピール。


人がバラけるような広いところだと、人が多くても渡しづらいです。たとえ一歩でも自分から渡しに行くと体力消耗が激しい。
だから、列が自然とできてる流れを探して、そこで「待つ」イメージで渡します。


人間は不思議なもので、流れの前にいる人がティッシュをもらうと自分も取ってしまう傾向があるみたいです。ということは、先頭に配れば、連チャンのチャンスが来ます。


もらってくれる人は意外と年配の方が多くて、7割またはさらに多くを占めるかもしれない。
元気な感じより優しい雰囲気で声をかけた方が、効果的でした。


若い人には、情けを売るかのような声で対応すると”取ってくれる人”もいます。




3、動作をルーティーン化する。


このティッシュ配りは上にも書いたように、チラシがくっついていて、四つ折りにして渡さないとならない。本当に面倒だし、渡しにくい。


最初は、20部ぐらいを折ってから、渡すことに集中した。
しかし、かなり効率が悪い。折った20部が一瞬でなくなるわけではないし、折ってる間に人がたくさん通っていく。


だから、折りながら渡す挑戦をした。小指と薬指に5部ぐらい持って、折ったチラシは親指と人差し指ではさんでいく。
人が来たらそれを差し出す。
最初は慣れなかったけど、30分ぐらいで手が慣れてきて、スムーズに“折る”“渡す”の作業を同時にできるようになった。


もう一つ気づいたのが、人の流れに波があるということ。
その原因は、近くにある信号。信号待ちしているときは人が来ない、青になった瞬間みんな歩いてくる。と同時に、信号の音楽も流れる。


そのリズムに合わせて、「信号赤→折る」「信号青→配る」ことに集中することに専念しました。


すると、信号のリズムに合わせて機械のように配れる。時間が経つのが早く感じて、ティッシュの減りも早く感じた。


動作をルーティーン化させることは、1に挙げた「無心になる」ためのポイントだと思う。






以上、ティッシュ配りに大事なこと3つでした。(他にも色んなコツたくさんあると思います。)



どんな仕事でも“試行錯誤して最善の方法”を見つけることは、難しくて楽しいことだと思います。SFCが大事にする「問題発見、問題解決」の考え方ははどこにでも共通します。






以下、余談で、ティッシュ配りを体験して感じたことです。


このエントリーは、研究会で難しそうなタイトルの論文発表して賞頂いた!みたいなフィードをfacebookで見たあと書きました。
「こんなことを書いてる僕はなんなんだろう」って思う自分がいました。笑


情報価値で比べたら、「慶應生の経済学の論文」と「ティッシュ配りのコツ」では天と地の差があるだろう。


でも、こういう仕事をして、”食ってる”人が社会にたくさんいるのを忘れてはならない。50歳ぐらいのおっちゃんとか、9歳の娘がいる人までも一緒に働いていた。


果たして、自分はこういう風にならないって言えるだろうか。
自分達がおっちゃんになる頃リストラに合うかもしれない。東京近辺でまた大地震が起きるかもしれない。日本経済がめちゃくちゃになってバイトさえの職もなくなるかもしれない。


こんな時代に“絶対”なんてない。どこにでもリスクは存在する。


それに、派遣とかバイトだけで食ってる人の中でも幸せに生きている人はいる。
大企業で残業づくしで嫌な先輩に怒られながらも、高い給料をもらって我慢して生きている人より、幸せな生きかたかもしれない。


それぞれ生きていく上でどこに価値を見いだすかは違うから、どの生き方も否定できない。


ただ、何が起こるかわからない人生の中で、いわゆる“社会的地位の低い仕事”をできるのは生きていく上で大きな強み、自信になると思う。
何もかもなくなっても、諦めないで粘り強く生きていける人間になりたい。


そういう強い気持ちを失ったら、人間は自分で命を絶ってしまうのかもしれない。


親父はずっと社会的地位の低い工場労働者で、粘り強く幸せそうに生きてきた。
だから、俺もそういう生き方できる自信がある。

「慶應だから大企業行って良い金もらう」なんて変な固定観念を持ち合わせてなくて良かった。おかげで、色んなリスクを犯して自分の好きなことができる。失敗したって、食っていける。またチャレンジもできる。

とにかく、良い経験になりました。

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